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取締役会、議長、NED

初めて取締役になるには

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取締役は、キャリアにおいて目指すべき高みである。

取締役のポジションに就くことは、これまでの優れた実績と自身の成長の証である。それは、組織の未来を左右する重要な意思決定を行う権限を持つことであり、同時にビジネス上の困難に対処するスキルをさらに磨き高める機会でもある。

人生初の取締役就任という新たな挑戦を計画するにあたって、考慮すべき7つのステップを次に紹介する。

ステップ1: モチベーションを把握する

一見すると、取締役はコミットする時間に比べて高い報酬を得ているように思われがちだが、実際には職務遂行に多大な時間とエネルギーを費やさなければならない場面も多々あるだろう。

取締役は、就任する企業やその株主に加え、さまざまな監督機関に対する説明責任を負う。したがって、こうした責任をすべて引き受ける覚悟が本当に自分にあるのか、あらかじめ自問しておくべきだ。

ステップ2: 自身の「売り」は何か

取締役の職務遂行に活かせる自身のスキルや経験を正しく把握できていないと、就任は覚束ないだろう。それだけに体系的なアプローチが重要である。目指すべきは、例えばファッションブランドが消費者向けにブランドイメージを作るように、就任先企業に合わせてセルフブランディングを行うことである。

このプロセスは、想像以上に難しい。なぜなら、真摯な自己分析を重ねる必要があるからだ。その過程では自身の強みだけでなく弱みとも向き合わなければならないが、目を背けてはいけない。最高のビジネスリーダーたちは、みな自己認識力が高い。自分の強みと弱みを理解しているからこそ、他人に相談することや、権限を委譲することを怖れない。このような資質は、重要な意思決定が合意に基づいて行われる取締役の職務においては、とりわけ重宝される。

また、自身のスキル、職歴、考え方を総ざらいし、就任先企業がリスクと感じる要素がないか把握しておくべきだ。重要なのは、こうした要素を冷静に自己評価できるかどうかである。なぜなら、取締役サーチのプロセスにおいて指摘を受けた場合、自身で巧みに切り抜けるか、もしくは弁明しなければならないからだ。

ステップ 3: 必要とされる場所を把握する

自分の「売り」がわかったら、次に、どんな企業が自分のスキルや経験を求めているのかを調べてみよう。パーソナルブランディングに必要なのは、単なる自己認識だけではない。相手に合ったメッセージを発信するためには、相手となる企業をこちらが吟味する必要もある。自分が取締役として加わることで最大の恩恵を受ける企業を見つけるためには、自分の業界や身近なネットワークだけにとらわれず、視野を広げることが重要だ。

ステップ4: 取締役向けの職務経歴書を作成する

エグゼクティブの職務経歴書とは異なり、取締役の職務経歴書は目的に特化したものである。したがって取締役に課せられる特有の要件や、提出先となる企業を十分念頭に置いて作成すべきである。

エグゼクティブとして活躍する人の職務経歴書は、自然と実績にフォーカスしたものになる。一方、取締役の職務経歴書では、その実績である変革をどのように実現したのかを強調すべきである。どのようなアイデアが変革の原動力となったのか。そのアイデアをどのように組織に浸透させたのか。取締役の職務経歴書の目的は、エグゼクティブとしての経験を就任先の取締役会においても十分に活かせることを、リクルーターをはじめとする関係者に示し、納得させることにある。

ステップ5: 自身のブランドイメージ向上

自身のブランドを知り、それを職務経歴書にまとめたら、次に一貫性のあるブランド展開が重要となる。自分の名前をGoogle検索したらどういう結果になるのか。取締役候補たるもの、LinkedInやXだけではなく、講演動画、出版物、ポッドキャストなど多様なプラットフォームを活用してアピールするべきだ。

取締役を目指すにあたって職務経歴書に加えた更新内容を、LinkedInアカウントに反映させ、さらには取締役としての心構えが感じられるものにしたい。Xアカウントでは、高い社会意識と先進的なプロフェッショナリズムを示すのがよいだろう。これらすべてのチャネルにおいて、一貫して積極的かつ熟慮に満ちたソートリーダーシップを見せることが重要だ。自身の名前に関連してネガティブな情報が出てくる場合には、削除するか、それに対して十分な説明を発信するよう努めるべきである。

ステップ 6: 知名度を高める

取締役会の意思決定者たちは、メディアでの存在感が大きい候補者を求めている。ただし、メディアへの登場理由は、取締役候補としてのブランドを毀損するネガティブなものでなく、ブランドを強化するポジティブなものでなければならない。

有望な取締役候補を探す際には、上場・非上場企業の現職取締役だけでなく、カンファレンスの講演者リストや専門職団体、著者情報ページなどもよく見られている。これらは、候補者が自身をアピールする絶好の場である。具体的には、論文の執筆、カンファレンスでの講演、主要メディアや業界誌、権威ある定期刊行物への記事掲載を目指すなど、積極的に手を広げることが重要だ。また講演の仕事を得たり、パネルディスカッションやカンファレンス参加の機会を求めたりするのも有益であろう。それが業界有数のイベントであれば理想的だ。若い候補者には慣れる努力が必要かもしれないが、メディア露出の経験はあるに越したことはなく、経験が次の機会をもたらすものだ。

ステップ 7: 人脈を活用する

あらゆるポジションの雇用を決定する上で、信頼関係は非常に重要な要素である。したがって、自分が誰を知っており、誰が自分を知っているのかで勝負は半分決まったようなものだ。この機会に自分の人脈を洗い直し、すでに明確なつながりのある人々だけでなく、あまり馴染みのない分野の人々へのアプローチも検討すべきである。そこに取締役就任への新たなルートが見つかる可能性があるからだ。

 

オジャーズ ベルンソンは、クライアントの取締役会が実効性を高め、将来の課題や要求事項に効果的に取り組むことができるよう支援します。30カ国を超えるグローバルなネットワークを活かし、常に変化する課題に対応できる取締役や取締役会事務局、CEO後継者のサーチ、アセスメントを提供しています。

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